12月2日、ふうや内観研修所にて第2回の内観友の会が開催されました。
 進行役は所長の橋本俊之と臨床心理士の村井久晃さんです。
 今回からテーマを付けることにしました。第2回は「自分を見つめることの魅力と効能」です。

 最初に参加者同士の自己紹介を簡単に行って場をほぐしました。それから村井さんより内観の解説を行いました。「内観」という言葉の意味や成立、内観を作られた吉本伊信先生の歴史から始まり、内観の現状と対象、動機、特徴、そして集中内観の紹介が行われました。前回のおさらいも兼ねていますので、勉強になりました。

 さあいよいよ、今回のテーマのお話です。村井さんから「実は出来事と感情って関係は薄いんです」というお話がありました(参考:マンガでわかる仕事もプライベートもうまくいく感情のしくみ 城ノ石ゆかり)。上図のように、出来事があるから、その感情が起こるんじゃないの?って思いがちですけど、そうじゃないんですね。

 では、私達の感情はどのように起こっているのか?
 村井さんによれば「実は出来事と感情の間に、認知(心の感覚)が働いているんですね。この認知の働きにより、出来事を判断して感情が生じているのです。ですから、認知、心の感覚の違いによって、例えば同じ出来事でも、全く違った感情が生じることもあります」ということでした!

 なるほど!具体的な例として、上司に怒られた時、「なんで私ばかり怒られるの」と思ったら悲しくなったり、人によっては怒りが生じますけれども、「私のために怒ってくれているんだ」と私の心の感覚が捉えることが出来た時は、それほど悲しくなったり、怒りは生ずることなく、時には「怒ってくれてありがとうございます」と感謝の感情が生じるわけですね!これはすごい!

 村井さんによれば「過去の悲しかったり、辛かったりしていたなあという記憶は、実は出来事ではなくて、私達の認知によりそのように記憶されてしまっているのかもしれません。ですから、内観で自分を見つめることにより、記憶を見つめ直し自分の認知と新たな記憶を知ることで、認知が変わり、そして感情も変わってくるわけですね」ということです!なるほど!

 それから、ある集中内観を体験された方の事例をご紹介して下さいました。事例ですので具体的な内容は割愛しますが、ある家族の方に対してどうしても内観が出来ない方がいました。たまたま起こった自然現象により、過去のその家族の方に対する記憶が蘇り、大きな感謝の気持ちが生じたようです。上図の話を考えると、蘇るというのは表現が違うかもしれませんね。内観を続けていて、ある準備(別の視点による認知のあり方)が整った時に、偶然起こった自然現象がきっかけとなって、その方にある記憶が新たなものとして感じられるようになったのかもしれません。特に集中内観ではこのような不思議な現象がよく起こると思います。

 最後にワークとして、「養育費の計算」を行いました。小学校入学以前(6歳未満)、小学校時代、中学校時代、高校時代、大学時代に、自分の両親がそれだけ自分にお金をかけてくださっていたのかを、実際の数値として計算して行きます。参加者の方はほとんどが初めての計算で、家が一軒ぐらい建つぐらいのお金を自分にかけて下さっていた事実を知ります。食事の部分だけでも、20年間で、21,900回作ってくれていたわけですね。

 そして1時間、それぞれの内観研修室の屏風に籠り、各3回、母親及び父親に対する自分について小学校から中学校まで調べてもらいました。最後に振り返りと質疑応答を行いました。今回は面接者も内観をする時間を取ることが出来て、とても良かったと思います。本当にありがとうございました。次回は2月又は3月の土曜日午後に開催予定です。

【進行役の村井さんからのコメント】

 今まで私たちは自分が生まれてからずっと「私」でいます。それは、乳児の頃から自分の名前を呼んでくれる他者がいたからです。毎日、「○○ちゃん」「○○くん」「○○さん」と言ってくれる人がいたから、朝起きたときに「はっ、自分は誰だ!」って思うことがなかったんです。感情に関しても、出来事に対してよく使い慣れた感情というものがあると、気付かないうちにそれが当たり前のことのように感情を使っていることがあります。例えば、自分の意に沿わないことがあるとその要求を通すために“怒り”という感情を“使用する。という具合です。「私を怒らせないで!」という言葉を聞くことがありますが、怒っているのは怒っているその人”自身“です。人間が100人いて同じ出来事を体験したとしても怒る人もいれば、怒らない人もいます。それは、ある出来事があったら、ある思考(認知)が瞬時に想起されて、ある感情につながるということです(2枚目のスライド参照)。そのような感情を使うことで自分が欲しい”結果“につながらないとしたら、ある”思考(認知)“に気付き、”本当に欲しい目的“に気付くことが大切です。私は、内観には自分の心の感覚や認知を知るヒントがるように感じています。また一緒に学べる機会を楽しみにしています。